ル・サンク小石川後楽園建築確認取り消し事件について(3)

これまでのあらすじ⇒
ル・サンク小石川後楽園建築確認取り消し事件について(1)
ル・サンク小石川後楽園建築確認取り消し事件について(2)

ル・サンク小石川後楽園(赤)周辺地図
ル・サンク小石川後楽園(赤)周辺地図(Googlemapをもとに筆者着色)。敷地南側の東西の道が堀坂、コンフォリア小石川の角から上富坂教会のところが六角坂
ル・サンク問題の経緯
ル・サンク問題の経緯

10年以上前からル・サンクの近隣住民は反対運動を続けており、その主要争点は次の7点でした。
1.建物の高さを20m以下にする。
2.歴史性に配慮した歩行者空間を整備する。
3.急峻な位置に車の出入り口は設けない。
4.歩道状空地は段差がなく、車椅子も通れるようにする。
5.緑地帯を伴う歩行者優先型の道路整備とする。
6.パースを作成し説明会を解りやすく。
7.車寄せを敷地内に設置。
近隣住民サイトより)
それに加えて工事に伴う六角坂(本物件北西、コンフォリア小石川の角から上富坂教会まで南に向かって上る坂)の一方通行解除について「4年間、開発工事と逆走を認めることに問題はないか。児童や住民が六角坂、堀坂を通行する上で危険はないのか。」として要望を示していました。(近隣住民サイトより)

どの争点も「正直ここまでする必要があるのだろうか」「先住民の権利はそのレベルまで尊重されるべきものなのか」というもので、元々容積率を消化するボリュームチェックを前提に土地を仕入れているわけで容積を余らせて20mに抑える理由はどこにもないですし、高さを抑えて事業化しなかったとしてその部分のお金を近隣住民の方々が支払ってくれるわけでもない以上、要望自体が無理筋だなあと思うわけです。

ル・サンク配置図 東西の間口が狭いため、南側道路(堀坂)の真ん中に駐車場に入る車路が設置されている
ル・サンク配置図(建築概要書より)東西の間口が狭いため、南側道路(堀坂)の真ん中に駐車場に入る車路が設置されている

ひとつひとつに反論はしませんが、この敷地形状、堀坂の高低差で3とか4とか7は無理だろうとか、2の歴史性云々ももともと周辺に歴史性と呼べるような明確な何かが残っているかというと疑問で、むしろ要望の形をとって無理難題を投げかけてプロジェクトを潰そうとしているのではないかとさえ思えてしまいます。

堀坂とル・サンク小石川後楽園
堀坂とル・サンク小石川後楽園

それに加えて反対運動の拠点が堀坂を挟んでル・サンクの向かいのマンション(セレナハイム小石川)だったり、あっせん申し立て人がル・サンク北西のマンション住民(グランツオーベル小石川)だったりと、自分たちのマンションを建てる時にも工事車両の問題はあったでしょうし、セレナハイムなどは堀坂の途中の急峻な位置に車の出入り口がありますが、新参者は旧住民の意向に従えと言っているようにしか見えません。
(セレナハイムとグランツオーベルはル・サンク小石川後楽園建築確認取り消し事件について(2)で反対ポスターを載せたマンションでもあります)
おまけに絶対高さ制限発効後の取り消しとなるように審理を故意に長引かせようともしています。

3.3年ほど経過した理由

通常、建築確認の審査請求は1年以内に審査・裁決されます。本件では3年を超えようとしています。このように長引いたことには、いくつかの理由があります。

最大の理由は、処分庁が東京都建築審査会に証拠の建築図面を提出しなかったことです。処分庁は、審査において私たち審査請求人の違法の追及から免れるために図面を提出せず、そのため、私たちは少ない証拠で手探りで反論しなければなりませんでした。この状況は、いまなお続いています。

また、当初は、私たち審査請求人の側で、審理を長引かせようとしたこともあります。つまり、当時文京区では建築物の高さ制限を定めようとしており、2014年3月17日に高さ制限が告示・施行されました。この高さ制限が発効したのちであれば、建築確認が取り消されると、建物の上部を削って建築設計をし直さなれければならず、施主側は大きなダメージを受けることになります。そこで、2012年9月に審査請求をしたのち1年余の間、建築確認の違法の主張を小出しにし、重要な主張は控えていました。

そして、高さ制限が発効する前後から、私たちは建築確認を違法とする実質的な根拠を主張しはじめました。そのため、処分庁との議論が難しい法令解釈にまで及ぶようになり、争点が詳細で複雑なものになりました。そして、建築確認の違法の弱点を衝かれた処分庁および施主は、2014年3月12日、最初の建築確認の内容を変更する変更確認処分をしました。その結果、新しい変更確認の違法性をさらに追及することになりました。

このように、事案の内容が難しいこと、変更確認によって争点が追加されたことなどのために、建築審査会の審議に大幅に時間がかかることになりました。最近は、私たちから早く裁決をするように、そのために、早く口頭審査を開くように強く要求しています。マンション建築が完成すると、建築確認の審査請求は争う利益が消滅したとして却下されるからです。そしてようやく9月7日に口頭審査が開催されることになりました。

小石川二丁目マンション審査請求の経緯のご説明とご協力のお願いより)

近隣住民の意図、いろいろと理由を上げてはいますがこのプロジェクト自体を許さないという強い意志に基づいた多岐にわたり長期にわたる嫌がらせ権利の行使がわかったところで、この意図がどういう着地をしたのか、どういう経緯で建築確認取り消しとなったのか、今後はどうなっていくのかを見ていきたいと思います。

続きはこちらです⇒ル・サンク小石川後楽園建築確認取り消し事件について(4)

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