(初出2014.1.2 画像追加 )
だいたいどこの会社でもそうだと思うのだが、デベロッパーは自社物件からJV物件に至るまで問合せ者、来場者のデータベースを残していて、それはある意味会社の宝(持ち腐れることもある)と見なされて大事にされているが、それを活用すれば何件何十件とモデルルームを巡っている人は立ちどころに明らかになってしまうらしい。(伝聞顔)
そしてそういう何十件もモデルルームを訪れるMRマニアとも言うべき人は、契約しない・・・らしい。(しぶとく伝聞調)
いや、本当はのらえもんさんやはるぶーさんのようにどこか別の会社で契約しているが、買った後も訪問を続けているだけかもしれないが、話の都合上、MRマニアは買ってないものと考えて話を進めたいと思う。

マンションを多く見て回る人はそれだけ目も肥えているし、どこを注目すべきかもわかっているし、相場観や立地特性も分かっている。(というよりそれだけ見ていれば自然と身についてくる)
じゃあ素人よりも簡単にマンション決めそうだが、実際にはどこも決めず回遊しまくり、MRでは「あーまたコイツか、また買わねえな」と当たった営業が落胆する。(販売現場の様子は想像です)
なぜ買わないのか。いや、なぜ買えないのか。
それは比較していくうちに「立地はターミナル駅徒歩3分のAがよかったな」「でも眺望はBだったな」「大規模タワーという点を考えるとCも捨てがたい」「再開発地域なのでリセールバリューを考えればDだけど」みたいな感じでなまじ色々見ているために選択の基準が上がってしまい、どの項目でも基準を満たすものでなければ契約する意味がないな・・・という結婚しないまま相手への要求水準だけが上がってしまったアラサー女性のようになってしまう。

そしてもちろんそのすべての項目で基準を満たすようなマンションは現れない(たとえ現れたとして超絶倍率の抽選になって落ちるだろう)ため、買えない時間がただ伸びていく。
しかし「今買わなければ」という意識もないし待つことには慣れているので、青い鳥探しのように理想のマンションを探し続けてその一生を終える。(推測です)
思うに、冷静に客観的に比較検討してマンションを買うことなどおそらく誰もできないのではないか、と僕は思っている。
冷静に考えて(いくら低金利とは言え)35年にわたるローンを組むとかなかなかシラフでできることではない。
ではなぜ人は家を買うのか。徳川家康もびっくりの長きに渡る重荷を背負うてまで。

それはやむにやまれぬ理由や、深く考えなかったからではないかと思っている。
嫁に買えとせがまれたとか、デベや銀行に勤めていて社内上買わざるをえなかったとか、親からポンと贈与をされて逃げ道を塞がれたとか(やむにやまれぬ理由系)、営業にその気にさせられたとか、周りがみんな買ってたからとか、ローンが家賃より安かったからとか(深く考えなかった系)。
家を買うことも結婚もそうだけれども、理詰めで客観的に比較考量して購入だとか結婚だとかの結論に至ることは稀ではないかと思うんですよ。
むしろそういう考えることは非決定とか先送りと親和性が高い気がするんすね。
じゃあ決定に導くものは何かって考えると、ノリとか勢いとか流れとか直感とか、冷静な思考と対極にあるものじゃないかと。
ただそういう選び方をしても不思議とその結果には満足してる人が多い気がするんだよね。(観測ベース)
それは多分、こういうことだからだと思う。
下手の考え、休むに似たり。考えるな、感じるんだ。
