
(初出2013.11.20 一部加筆修正・画像追加 ※現在の状況とは異なることがあります)
さて、日本史上における最大の成り上がりは永ちゃんではなく、太閤殿下であることは間違いないだろうが、身分や家格が割と固定されていたと言われる江戸時代における成り上がりはやはり柳沢吉保ではないだろうか。

一介のどこぞの藩士風情からたまたま赴任してきた綱吉に仕え、気に入られたことから、綱吉の将軍職就任に伴い中央政界デビュー、石高も加増に次ぐ加増を経て甲府15万石の藩主となり、大老格として元禄時代の政治をリードした。
そして主君が斃れると、息子に藩政を委ね、さっと身を引いたことで所領を子々孫々まで伝えたことは成り上がりとしては特筆すべき点であろう。(太閤秀吉も田沼意次も田中角栄も成し得なかった)
しかし成り上がりが人から嫌われ妬まれるのは世の常なのか、時代劇では不動の悪役として君臨しており、とりわけ先日触れた「忠臣蔵」においては赤穂浪士に非情な決断を下した人物としての責めを一手に引き受けている。
その柳沢吉保が技巧と知識を余すところなく用いて造営したのが、駒込の「六義園」である。

時は下り、六義園は岩崎家(三菱)の所有になり、六義園の周辺は大正期に宅地として開発され、100坪200坪といった大振りなサイズで分譲された。
その界隈は大和郷(やまとむら)と呼ばれ、首相を二度務めた若槻礼次郎や政界の坂本龍馬を自認する鳩山邦夫(元首相の弟)や政財界の大物が住まう高級住宅街として知られている。

大和郷の名は柳沢家(吉保の子)が大和国郡山藩主に封ぜられたことに由来するとされている。
大和郷は宅地開発された頃から名士が集う場所となり、大和郷自治会が今でも力を持っていて、新規建築の階高から庭木の竹木までいろいろ文句を…もとい自治を行っているという。

そんな大和郷(文京区本駒込6丁目)からは1ミリくらい外れるアルナス駒込六義園の現地MRに行ってきた。
(ようやく本題)
この物件は東京建物の分譲ではあるものの、ブリリアシリーズではない。
というのも、Kさんという駒込駅北口で 現在は物件2階で蕎麦屋さんをやっている人と個人の地権者が東急建設に作らせたマンションを東京建物と三信住建が一棟買いしたものなので、中身のクオリティはごく普通のマンションである。
南西六義園というありえない希少かつ好立地が売りである。

むしろ文京区本駒込6アドレスでは六義園は北側に臨む形になるため、(豊島区駒込1ではあるが)これは後にも先にもないマンションであるといえるだろう。
ただそれはそうとしても価格が・・・。
39.26㎡(1LDK)…3,990万円~4,490万円

56.76㎡(2LDK)…5,990万円~6,990万円

71.82㎡(2LDK)…7,290万円~7,990万円

81.50㎡(3LDK)…10,390万円~10,590万円
い!いちおく!(卒倒)
強気!ボンバーイエ!強気!ボンバイエ!(テーレーレー、テーレーレーレー)

まあでも眺望は超絶ですけど賃貸にそのプレミアムは載せられないでしょうし(56㎡のタイプが地権者に割り当てられ、20万円くらいで成約したとのこと)リセール考えても@340スタートでは「ファンなら買い!」(ファミ通顔)としか言い様がない気が。
東京建物がKさんから高値で買っちゃったんでしょうか。(邪推)
自己所有前提にするなら7戸/23戸の地権者の存在感がでかい気がしますし、かと言って今後@400を付ける未来も想像しづらいということで僕はパス太郎。(彼女は気に入ってたけど)
※その後2014.4頃完売したようです。