
マンションのことならわかるんだ~作ってきたからわかるんだ~
というわけでマンションを語る上で長谷工を避けては通れません。
田の字型間取りと寝室が共用廊下に面する問題とか二重壁で有効面積狭まる問題とかネガティブな取り上げられ方をされることも多い会社ですが、リーズナブルな価格での住宅供給や腕力のいる込み入った用地・建て替えなど「長谷工でなければ事業化できなかった」とか「長谷工だったから買えた」とかプラスの側面も多いわけです。
そんな長谷工の取り組みを取り上げているのがこの一冊です。
『新建築』2015年7月別冊 マンションづくりと街づくり 長谷工コーポレーションの手法
長谷工の用地仕入れ能力っていうのはものすごくて、一見デベロッパーの物件に見えても長谷工の特命受注(長谷工が用地を押さえてデベロッパーに企画として持ち込んで事業化する方式)だったりとか多くてなんでこんなに土地押さえられるんだろうと不思議でしたが、結局ほかの会社では手を出せないような難案件もしっかりこなしていくからなんですね。なるほどですね。
まずは深沢ハウス。見出しだけ見るとプロジェクトX。
・都心の高級住宅地、大規模プロジェクトの入札・落札
・土壌汚染疑惑と諸問題
・減少する事業主
・北向き住戸と販売価格の懸念
・地下駐車場という挑戦
・事業主のまとめ方
・行政との調整
・北東敷地の買収
・全棟免震構造
・近隣への理解を求める
・解体ができない!
(以下略)
深沢ハウスは近隣は第一種低層住居専用地域、当該地は第一種中高層住居専用地域(もともとは都立大学があった場所)という状況の中19階建てのG棟をはじめとする高層マンション群を作ってしまったのだから長谷工の腕力たるやという感はある。
(近隣住民はお気の毒でしたが)
これは私感なんですが深沢ハウスって21世紀の広尾ガーデンヒルズを目指して作られたんじゃないかなと思っていて。
都心にありながら緑の中で暮らすというコンセプトに加えて、広尾GHsにはなかった水の流れ(ビオトープ)や免震構造などがあって、竣工30年くらいすると木もさらに育ってまた違った価値が生まれてくるマンションじゃないかと思ってます。
他にも横浜プリンスホテル跡地のブリリア磯子や青山学院大学跡地の東京テラスなど、大規模開発でマンションづくりであり街づくりでもあるような物件が多いんだなと改めて実感しました。
プラウドシティ池袋本町や池袋西口のルミナリータワーのような買った人は得したよねマンションもあり、長谷工は他社より安く仕上げてしかも戸数が多い(大規模)から割安で買える可能性は高いんだなと改めて気づかされました。
The Kitahamaとか超高層やってたりして、長谷工超高層苦手なイメージあるけどそうでもないのか・・・。
写真も敷地配置図も間取りも建設時のプロジェクトXも載ってて、その筋の人にはオススメです。(というか買わないとモグリ)
僕は初っ端の隈研吾さんの対談でもう満足でしたが。梅窓院かっこいいよね。

写真もきれいでお勧めの一冊です。