繁忙期こそねらい目という考え方(3)終

これまでのあらすじはこちら。

繁忙期こそねらい目という考え方(1)

繁忙期こそねらい目という考え方(2)

築年数が経っている物件よりも新築の方が安いことがあるというのを実例を挙げて示してきたわけですが、なぜそんなことが起こるのか?その解答編に参りたいとおもいます。

新築物件の賃料が安くなる理由、それはまさに「新築だから」なのです。

「何言ってんだお前?新築のが新しいし設備も新しいし鍵交換代もいらないんだから新築のが高い賃料付けられるに決まってんだろ!」っていう人もきっといると思います。

全部正しいし、単体で新築物件と築浅物件を比べた場合、どうしたって新築の方が価格競争力が高いのは間違いありません。

じゃあなぜ新築物件が安い賃料で出すのか?それは新築の場合、「一気に」多くの空室を埋めなければならないからです。

新築物件と築浅物件が1対1で勝負する前提なら新築物件が多少高くても決まるでしょう。

しかし新築物件は数十件、多い場合は数百件を一気に決めなければいけません。

なぜなら、ファンド物件であれば稼働率が低いと売れませんし、投資用物件であれば埋まらなければ賃料保証しているので持ち出しになるので、どちらにしても早く埋めないとまずいのです。

物件が一生のうちで一番注目を集めるのはいつか?それは新築時です。

一番注目の集まる新築時に既存物件より安い値で出す、そうすると皆こぞってこの新築を紹介します。そうすることで数十戸数百戸といった大量のオーダーを裁くことができるのです。(ちなみに前回紹介した新築物件は300戸近い大規模物件です)

ここで欲をかいて相場から大きく乖離したチャレンジ価格で臨むとどうなるか?

全体の何割かは希望賃料で決められても、1年経っても稼働は上がらず結局大幅な値引き交渉に応じたり大幅な賃料の見直しを余儀なくされる、しかも物件の旬を過ぎているためその減額も注目されず苦労する、というコースをたどることがよく見られます。

というわけで、表題に戻ると、上記の事情もあって繁忙期は割安な新築が出ることもある時期なのでそのチャンスを見逃す手はないですよって話。

最後にもう一度。

繁忙期に引っ越す人は、幸せである。新築はその人たちのものである。(アカイによる福音書5.3)

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