今年は多店舗展開していた賃貸不動産業者がいくつか倒産しました。年の瀬なので振り返っていきたいと思います。(個人的なメモです)
1.アルファホームズ(アルファ・プロパティマネージメント)
2016年7月に、アルファホームズを展開していたアルファ・プロパティマネージメントが倒産しました。
イケイケ系の不動産会社で、繁華街案件に強そうな感じでしたが、管理・賃貸仲介から収益物件売買・介護・太陽光と事業を拡大し、売上高も拡大したものの、借入金の返済が追い付かずに22億円の負債を抱えこの事態に。
旧役員と連絡が取れないなどきな臭さも残る顛末でした。
2.うちナビ
うちナビはフィリップトルシエや鈴木奈々を宣伝に起用するなど登り調子で知られていた賃貸不動産業者です。

業界内でもその威勢の良さと出店スピードの速さで注目を集めていました。
僕もうちナビには何度か行ったことがありますが、店に行くと大きな声で元気にあいさつしてくれる若手の姿がまぶしく、これは業界を変えるんじゃないかと可能性を感じていました。
驚異的な出店と徹底した社員教育を可能にしたのは角南圭社長(通称キャプテン)のカリスマ性、具体的には社長ブログと社長宅合宿の存在が大きかったのではないでしょうか。


・社長ブログ
1日数回、海老蔵もびっくりの頻度で更新されるブログ。冒頭はだいたい「~したことはありますか?俺は、あるよ。」で始まり、最後はだいたい「今日も、俺、顔晴るぜ!」(がんばる、と読む)で〆る。
社員は感想を書く義務があり、キャプテンの心を動かした感想はブログで発表される。
なお、クソ物件オブザイヤーでの下のツイートは社長ブログリスペクト。
・社長宅合宿
キャプテンの家に社員を呼び、気合を入れる儀式。夜通し行われるため、体力のない社員には負担となった。女性社員も男性社員と変わらず合宿に参加していた。
M井物産に勤めていたキャプテンの弟が兄のために駆けつける、という物語もブログで語られ、ドラマ性があった。
余談だが、キャプテンは早稲田大学卒、弟は慶応卒だったため、(賃貸不動産業界には珍しく、)新卒採用の際学歴を重要視する向きがあり、東大卒が入社した際にはブログに記事にするほどだった。
一時は大阪、福岡まで支店展開させ、上場間近にまで迫っていた2015年2月、不払い訴訟事件が起こる。(不払い訴訟事件の詳細については田村弁護士のブログを参照)
これにより上場作業はストップ。金主たちの覚えも悪くなり、固定費の削減を余儀なくされ、大幅閉店。
そして2016年、社長の角南圭は謎の失踪をとげ、残された社員は準破産(代表取締役不在のため)の手続きを取り、うちナビは倒産した。
失踪前、地下格闘技に出ていたなどの噂もあり、民心も離れていった。
またみんなのへや(2014年)など古参社員の独立もあり、社内統制は低下していた。
一時代を作ったプレイヤーの退場は寂しくもありますが、顔晴った(しかし最後までは顔晴れなかった)キャプテンにありがとうと言いたいです。
来年も、俺、顔晴るぜ。