「家売るオンナ」と不動産業の将来

家売るオンナ(<a href=

家売るオンナ(公式サイト)、見ました?おもしろかったですね~。水曜夜にやってたのも不動産屋さん思いで配慮されていましたね。
親子が別々に問い合わせしてくるとか、愛人の物件探し依頼とか不動産屋あるある的なスパイスも効かせつつ、お客さんの課題を家を売ることによって解決していく展開はまさにソリューション営業(意味が違う)という感じがしました。
かなり大袈裟に描いてるところやこんなにうまくいかねえだろ!と思うところもありつつも、ハケンの品格や家政婦のミタの系譜を継ぐヒット作で不動産屋のイメージアップにもなったのではないかと思います。
HEROを見て検事になった人や逆転裁判をプレイして弁護士になった人のように、家売るオンナを見て不動産屋になろうと思いました、なんていう北川景子似の美人営業が大勢入社してくる日も近いかもしれません。(イモトアヤコ似の可能性もありますが・・・笑)

で、このドラマを見ていて思ったのが、いくらIT化やペッパー君の台頭が進んできても不動産屋の仕事はなくならないなと。
いや淘汰される人や会社はあるでしょう。でもそれは言われたことしかやらなかったり相手の言った希望の物件を右から左に出す人。それならペッパー君のがうまくやりますからね。
このドラマでも描いていましたが、不動産屋さんの仕事って決してお客さんの言いなりになることじゃなくてお客さんの問題点を明らかにしてそれを不動産によって解決することなんですよね。
だからお客さんの言葉だけ聞いていてもしょうがないんです。言葉は嘘をつきますし見栄も張りますし、何より本人自身が問題を把握していないこともありますし。
お客さんの行動や何やかをよく観察し、時には強く当たって心を揺さぶり本音を引き出し、不動産を買う(売る)ことで問題を解決する・・・それが不動産屋さんに求められる仕事であり、不動産屋さんのコアバリューでもあります。
そしてそこはITやペッパー君で代替できない(今のところ)ものです。

IT系から不動産業に参入してくる人たちが大概失敗してしまうのはここを間違えてるからだと思うんですよね。
不動産屋の仕事はいっぱい物件を紹介することだ(でもそれならスーモがあれば他社はいらないですよね)とか、そもそも不動産屋の仕事なんて右から左に客を流して法外な金をとってるだけだから手数料を安く(無料に)すれば客は集まってくるだろう、とか。
ソニー不動産なんかも上記のIT系発想から抜け出せていません。(低迷の原因はそれだけではないのですがまた機会があれば詳しく話しましょう)
自分の強みは何なのか、客は何を必要としてるのか、そういうことを知っていかなければ業界を変える大旋風が起こせるはずもありません。
孫子謀攻編にある「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という一節のように、フィルム不要の流れの中で、自分たちの強みは光の解析やコラーゲン、抗酸化の技術蓄積にあると考え化粧品販売(アスタリフト)をてこに甦った富士フィルムと写真にこだわり有効な手立てが打てず倒産したコダックのような二極化が不動産業界でも起こるのでしょう。
その未来は自分の強みを見つけられていない人や会社にとっては恐怖でしょうが、逆にチャンスだと考える人や会社もいることでしょう。
でも別にこれって不動産業界に限らず、どこでもそういうとこありますよね。
後者のように考える不動産屋でありたい、そう思った秋の夜長でした。
ではまた。

参考文献他
家売るオンナ
家売るオンナ Blu-ray BOX
最高の戦略教科書 孫子

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